数える少年
ヨウタ・ミカド
十二歳。ボール紙の帳面と、何でも数える癖。瓦も、鶏も、銅貨も——嘘も。 正しい勘定を口にしても、大人は誰も聞いてくれない。……今のところは。
和風ファンタジー · 異世界転生なし · チートなし
〜もう誰にも騙されない〜
山あいの貧しい村・元村(もとむら)。十二歳のヨウタは、何でも数える少年だ。 瓦も、鶏も、銅貨も——嘘も。幼なじみのカットは、その逆。何ひとつ数えたことがないのに、 人の心に必要なものを、いつも前掛けのポケットから取り出してみせる。 ある日、二人は聞く。「悟りの都サトリア」——誰も他人を騙せない、目の開いた人々の都の伝説を。
全五巻+合本版
原書はスペイン語で全五巻完結。日本語版は「小説家になろう」で第一巻から順次連載中です。
登場人物
この物語に魔法はない。選ばれし者も、剣もない。あるのは一冊の帳面と、 ポケットのいっぱいの前掛けと、食卓の一枚多い皿——そして、犬。
数える少年
十二歳。ボール紙の帳面と、何でも数える癖。瓦も、鶏も、銅貨も——嘘も。 正しい勘定を口にしても、大人は誰も聞いてくれない。……今のところは。
値のつけられない少女
十一歳。読み書きはできないが、どの規則にも載っていない扉を開けてしまう。 人の心に必要なものを、いつも前掛けのポケットから取り出してみせる。
母
谷でいちばん多くの銅貨に触れ、いちばん手元に残さなかった手。 毎晩、「誰かが来たときのために」と、皿を一枚多く並べる。
犬
組合の掲示板でいちばん古い貼り紙の犬。「あれを見つけるより難しい」が口癖になるほど 誰にも見つけられなかった。見つけたのは、探していなかったただ一人だった。
舞台
山々に囲まれた谷。住人は二百十二人、牛は十四頭。外へ出る道は、ただ一本。
村はずれ、北の石垣ぎわ。椅子は三脚、皿は毎晩三枚。
誰かが通ると、ひそひそ話が穂のように頭を下げる場所。
屋根の割れた瓦は四十七枚。——二回数えた。
谷から外へ出る、ただ一本の道。最初の辻まで、道しるべは二十二本。
表紙・世界観イラストはAIによる生成です。人物・舞台の画像は本作公式の設定画(settei)です。